No.20 インフルエンザ合併症
- <発信日98.2.1>
- 現在、インフルエンザが猛威をふるい、多くの学校が学級閉鎖をしています。今月
はインフルエンザの合併症、とくに死につながることもある重大な合併症を主に説明
したいと思います。
1.インフルエンザの合併症の種類は?
合併症にはインフルエンザウイルスによる一次性のものと、細菌感染による二次
性または混合感染があります。
頻度が高く死亡原因の90%以上を占める肺炎、まれではありますがいったん発
症すると重篤となる急性脳症およびライ症候群、その他心合併症、急性筋炎、急性
胃腸炎、関節炎、中耳炎、副鼻腔炎などインフルエンザウイルス感染症の合併症は
多彩です。
2.肺炎について
気管支炎・肺炎の合併症は頻度が高く、上で述べましたように、この疾患の死亡
原因の90%以上を占めています。肺炎は、インフルエンザウイルスによる肺炎と
、細菌感染による細菌性肺炎に分けられますが、後者の方が頻度が高いのです。イ
ンフルエンザ肺炎は4−5日過ぎても高熱、咳が続き、呼吸困難、チアノ−ゼがみ
られるようになります。細菌の二次感染を伴う肺炎は、インフルエンザが軽快して
きて、再び発熱、悪寒、咳嗽、呼吸困難、多呼吸、頻脈、一般状態の悪化が見られ
ます。このように高熱が長く続く場合や、一度解熱しても再び発熱があり症状が悪
化していく場合は注意が必要です。
3.急性脳症およびライ症候群について
脳炎・脳症はインフルエンザ感染後3日ないし2週間をおいて、頭痛を伴う意識
障害、けいれんで発症します。
小児で注目されているのがライ症候群です。ライ症候群は上気道炎症状後3−
10日から悪心・嘔吐をもって発症し、しばしば低血糖があり急速に昏睡に進んで
いきます。年齢は3−16歳に多く、死亡率は36−58%と高率であり、早期発
見、治療が重要です。インフルエンザの罹患時または回復期に嘔吐の後、軽度の意
識障害(TVサイン陽性・・これは子供がテレビを見ている時に、呼びかけてもま
ともに応答しないことに似ている。周囲に無関心など)があればライ症候群の初期
の可能性があります。この疾患の罹患中あるいは罹患後もしばらくの間、常に子供
の状態に注意をはらっておく必要があります。
4.心合併症について
心筋炎・心膜炎の合併症が知られています。末梢循環不全、心不全、不整脈など
の症状がみられることがありますが、軽症例では心筋炎の診断は困難です。
5.急性筋炎について
回復期または経過中に両下肢、とくにひ腹筋、ヒラメ筋の筋痛を突然起こし、歩く
のを嫌がります。多くは自然に軽快しますが、急性の横紋筋壊死とミオグロビン尿
に伴う腎不全例の報告もあります。
6.家庭での注意とまとめ
以上重大な合併症を主に述べてきましたが、インフルエンザは伝染力が非常に強く
あなどることのできない恐ろしい病気なのです。よって予防が一番大切なのですが
、その最有効法はワクチンです。しかし我が国では1995年ワクチンの効果の疑
問と副作用の問題により予防接種法より除外され、現在任意接種となっています。
もしインフルエンザに罹患してしまったら、無理をせず、栄養・休養を十分に取
り、症状の変化や合併症に十分に注意しておくことが大切です。