平成22年度/加古川地域保健医療情報システム評価アンケート |
総合分析と評価 |
- システムの認知状況について - |
同意のきっかけは、「医師に勧められた」が約8割(グラフ@参照)で、参画医療機関を受診した際に医師からシステムの説明を受け、システムの存在を知るなど同意に至る傾向が高いと考えられる。一方、医師も、定期的に受診される患者や、慢性疾患罹患者を中心に同意を勧める傾向(グラフA参照)があり、医師からの勧めがシステムを知る大きなきっかけになっている。 |
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- 健康づくりへの支援について - |
医師は慢性疾患罹患者にシステムを勧める傾向があり、同意者2,888人の内、2,325人が慢性疾患にかかっていることから、システムの効果は特に慢性疾患罹患者に対し期待されている。(グラフB参照) |
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アンケートによる同意者の過去3年間の健診受診率は、住民、患者共に9割前後である。また、同意者は非同意者よりも健診をよく受ける傾向がある。(表C参照) |
Cシステム加入(同意)者に対する健診受診状況 |
住民アンケート |
合計 |
受けていない |
受けた |
受診率 |
加入(同意)していない(n=3,108) |
3108 |
779 |
2329 |
74.9% |
加入(同意)している(n=852) |
852 |
59 |
793 |
93.1% |
患者アンケート |
合計 |
受けていない |
受けた |
受診率 |
加入(同意)していない(n=2,533) |
2533 |
608 |
1925 |
76.0% |
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【住民編】+【患者編】 |
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- 異分野との連携について - |
それぞれ、医療面における連携が最も期待されている。(グラフDE参照) |
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かかりつけ医以外のデータ参照については、複数医療機関に同意している患者ほど、カインドカードの提示を行う傾向がある。(グラフF参照) |
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- インフォームドコンセントについて - |
本システムでは最新の検査健診結果を活用でき、同意者の約6割がその恩恵を受けている。(表G参照) |
Gシステムを使った説明(n=2,251) |
区分 |
よく
受けている |
検査をした時
受けている |
あまり
受けていない |
まったく
受けていない |
人数 |
499 |
943 |
514 |
295 |
割合 |
22.2% |
41.9% |
22.8% |
13.1% |
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【患者編】 |
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- システムの利用価値について - |
参画医療機関では、日常診療で患者のインフォームドコンセントに活用される地域医療情報システムの利用価値が最も高い。(表H参照) |
H利用価値の高いシステム |
システム名 |
回答が1位の集計 |
地域医療情報システム |
28 |
感染症情報提供システム |
25 |
主治医意見書作成支援システム |
22 |
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【参画医療機関編】 |
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参画医療機関のシステムの利用価値を「内科」と「内科以外」でみると、ともに地域医療情報システムが1位である。これは、医師がインフォームドコンセントなど患者への説明時にシステムの利用を必要としていることの現れである。
感染症情報提供システムは「内科以外」では2位、「内科」では第3位である。主治医意見書作成支援システムは「内科」では2位であり、「内科以外」では第3位である。「内科」では自治体からの主治医意見書の作成依頼が「内科以外」より多いと考えられ、その利便性が伺われる。「内科以外」については、加古川地域の感染症発生状況を把握できる感染症情報提供システムの利用価値が高い。(グラフIJ参照) |
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- 同意書の内容について - |
同意者は「定期的に診察を受ける」「定期的に検査を受ける」という方の割合が高く、次いで「食事や運動などの生活習慣に気をつける」「自分の病気に関する知識や理解についても心がける」の順になっている。(表K参照)
一方、医師が感じる同意者の変容については、「病気に対する理解」「健康意識の高まり」の順になっている。(表L参照)
患者の心がけが具体的な行動の変化となって現れ、医師もその変容を感じていることから、システムに同意することにより健康に対する意識や行動に良い変化が現れていると言える。 |
K加入後心がけること(n=2007) |
内容 |
回答数 |
選択率 |
定期的に診察を受ける |
899 |
21.2% |
定期的に検査を受ける |
826 |
19.4% |
食事や運動などの生活習慣に気をつける |
800 |
18.8% |
自分の病気に関する知識・理解を深める |
693 |
16.3% |
定期的に健康診断を受ける |
533 |
12.6% |
健康面において安心できる |
359 |
8.5% |
その他 |
137 |
3.2% |
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【患者編】 |
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L医師から見た加入(同意)患者の変容(n=93) |
内容 |
よくなった + 少しよくなった |
あまり変わらない |
A病気に対する理解 |
41 |
52 |
B健康意識の高まり |
37 |
56 |
C生活習慣の改善 |
31 |
62 |
@診療態度の変化 |
26 |
67 |
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【参画医療機関編】 |
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※今回の調査で「あまり変わらない」という回答が多いのは、医師から同意者に対し、システム加入前後でどの様な変化があったかを尋ねていないことが要因として考えられる。 |
- システムに対する満足度について - |
患者、医師共に2割がシステムに同意・参画して良かったと感じていないものの、8割からシステムに同意・参画して良かったと回答を得ている。(グラフMN参照) |
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同意者の満足度を地域内と地域外で比較すると、地域外の満足度も高い。(グラフO参照)また、今後のシステムへの期待についても、地域外の同意者は地域内の同意者よりも「加古川地域外でも利用出来る環境整備」に期待する割合が高い。(グラフP参照)よって、地域外からみても、本システムは利用価値のあるシステムであると言える。 |
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- 費用対効果について - |
システムの費用対効果については、参画医療機関医師の8割が、システムの活用が重複検査の回避や医療費削減に繋がると考えている。(グラフQ参照) |
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- 今後のシステムに対する期待について - |
今後のシステムに対する期待について、患者編では、「医療機関のスムーズな連携支援」「地域外でも利用できる環境整備」の順に高く、自分がかかる医療機関でのシステム利用を期待していると考えられる。(グラフR参照)
一方、参画医療機関編では、「地域連携パスへの利用」「システム利用範囲拡大」の順に高く、地域内の医療機関だけでなく、地域外でも利用できることを期待していると考えられる。(グラフS参照) |
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